世界各国で感染が広がる中共肺炎(新型肺炎)。中国当局は操業再開を急ぐため、情報操作を続けている疑いがある。中国当局は武漢の新規感染者数を5日連続ゼロと宣言した後3月24日、1月23日から実施した武漢市の封鎖措置を4月8日に解除すると発表した。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日、「これは驚くべき成果だ」と評価した。しかし、大紀元に寄せられた情報によると、今も武漢市には感染者が発生している。
武漢市民「共産党の政治操作」
武漢市の感染ゼロに対し、武漢の地元住民は「感染者の発生を報告すると責任が問われる。この付近の2つの団地 (麗水康城と新華)では報告していない感染例がある」と匿名を条件に大紀元の記者に話した。
「麗水康城」団地に貼り出された20日付の「重要通知」は、19日夜に新たな感染者が出たため、「くれぐれも外出を控えてください」「警戒心を高め、引き続き努力するように」と住民を対象に注意喚起を促した。
感染して入院中の父親を看病しているもう一人の武漢市民は大紀元の電話取材に対して、「感染ゼロのやり方は政治操作で、共産党の一貫した嘘つきの習性だ」とし、「再び爆発しても、帰国者が持ち込んだと世論を誘導すれば良い。操業再開と経済成長が何よりも肝心だからだ」と述べた。
内部情報筋によると、「武漢の国営企業の管理者らはずっと前から、感染ゼロが出た14日後に操業を再開するといった通知を受けた。操業再開に合わせて作り出したもので、現場の感染状況とは関係ない」という。
検査をやめれば数字は出ない
中国衛生当局が発表した中共ウイルス(新型コロナウイルス)第7版の診断と治療方案によれば、15分以内で結果が出るという血液検査による検出方法が、これまでのPCR検査より安くて検査時間も大幅に短縮できる。中国の医療専門家らはこの検査方法を推し広めたいと望んだが、当局の指示でいきなり使用中止となった。
ある武漢市の医師は、血液検査がほとんどの病院で使用停止となっているとSNSで友人らに告げ、「なぜこのような問題が起こるのか。多くはもはや医学的な問題ではない。治癒と診断された人はこれは『政治的な治癒』で、医学とは関係ない」と示唆した。
武漢市の住民は大紀元に対して、「1月18日に症状が現れてから、CT検査3回と核酸検査を2回受けたのに、感染が確認されなかった。周りの友人は、当局が感染者数の増加を隠すために、感染の確定をしない方針だと言っている」と話した。
北京、「湖北省訪問歴のある市民は上京してはいけない」
北京市政府の陳蓓副秘書長は21日の記者会見で、湖北省への出張者および帰省者が、一律に北京に戻ることは禁止され、その他の地域から北京に入る人は、自宅または集中隔離施設で14日間の隔離観察を受けなければならないと発表した。
ネットユーザーからは「北京の上層部は武漢の 『感染ゼロ』 がどういうことかよくわかっているようだ」「信じるのはバカだけ」などの皮肉交じりのコメントが寄せられた。
中共政権、グローバル産業主導権を狙う「ポストウイルス戦略」
多くの専門家らは、中共ウイルス(新型コロナウイルス)がSARSより検出が難しく、生存時間も長いため、再発のリスクが高められ、新たな流行を避けられないとの見解を示した。
香港大学公衆衛生学部疫学・生物統計学科の学科長ベン・カウリング(Ben Cowling)教授は19日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材では「喜ぶのは時期尚早だ。現在は初期にあたるだけで、第2の波がすでに中国で発生し、まだ発見されていない可能性がある」と述べた。
一方、国民の死活問題を度外視し、操業再開を急ぐ中国共産党の狙いは世界の市場シェアを奪おうとしているとの指摘もある。
16日付けワシントン・ポスト紙は、中国政府と経済活動を追跡するコンサルタント会社であるホライゾン・アドバイザリー(Horizon Advisory)社の報告書を引用し、中国共産党の上層部が「ポストウイルス戦略」を企んでいると伝えた。
つまり、中国共産党政府は新型コロナウイルスの危機を利用し、立て直しの先頭に立って経済戦略を前進させる準備をしている。世界が閉ざされた今、中国当局はいち早く国内への資本流入を加速させ、未来の産業主導権を握り、世界経済の中で支配的な地位を維持し続けることを狙っている。
今や中共政権の国家プロパガンダ機関が勢いを増し、工場の操業再開を加速させようとしている。中国国営メディアは「春が来て、花が咲き、美しいものがついにやって来る」と報じ、国中の関心をウイルスからそらしている。
転載大紀元(翻訳編集・王君宜)